社会・経済活動を支える生命線。代表的な社会基盤は電気、都市ガス、上下水道、電話である。また、交通に関して、鉄道、道路があげられ、広義には金融ネットワークや物流ネットワーク、情報ネットワークを含めることがある。これらが災害で被災すると、社会が正常に機能しなくなり、復旧・復興事業の進捗に大きく影響する。阪神・淡路大震災では、水道、都市ガスの復旧に3カ月、電気は1週間要した。このようなライフラインが復旧しないと、被災者の避難所での生活が長期化するという問題がある。東海・東南海・南海地震や、首都直下地震では、被害の広域化、複合化、長期化という特徴があり、各種ライフラインの復旧速度が被害額を大きく左右する。なかでも、道路の復旧が最重要課題となっている。ライフラインが広域にわたって不通になった場合、建物の倒壊などの物理的被害が発生しなくても、地域や自治体全体が孤立する危険性があるが、この点に関する国民的理解が遅れていると言える。