代表的な抗高脂血症薬は、フィブラート系抗高脂血症薬とスタチン系抗高脂血症薬である。フィブラート系薬剤の作用は、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系)に比較し、優れたトリグリセリド(TG)低下作用およびHDL-C(高比重コレステロール)上昇作用がある。最近、これらの薬剤の新しい作用部位として核内受容体PPARα(peroxisome proliferator activated receptor α)を介した作用が解明された。日本で開発されたクリノフィブラート、その他ベザフィブラート、フェノフィブラート、クロフィブラートがある。副作用として横紋筋融解症、肝機能障害、ミオパチー(筋疾患、筋症)など。特に横紋筋融解症は重篤な副作用で、急性腎不全に陥ることがある。HMG-CoA還元酵素阻害薬とは原則併用禁忌である。スタチン系抗高脂血症薬は、肝臓でコレステロール合成系の重要な酵素であるHMG-CoA還元酵素を阻害し、LDL受容体を活性化し、血液中のコレステロールを肝臓に取り込ませる。現在、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチンなどが販売されている。高コレステロール血症の第一選択薬である。その他、プロブコール、イコサペント酸エチルなどがある。また、小腸からのコレステロール吸収を選択的かつ強力に阻害するエゼチミブ(1回10ミリグラム、1日1回。小腸コレステロールトランスポーター阻害剤)が市販された。