どちらも抗精神病薬の分類名。非定型薬は、1996年以降に発売された新規抗精神病薬のことで、第2世代抗精神病薬ともいう。陰性症状(気力の欠落)の改善、認知機能障害や抑うつなど精神症状の改善、服薬コンプライアンス(順守)の向上が可能となり、統合失調症患者の社会復帰促進がもたらされた。抗幻覚妄想作用があるにもかかわらず、手足のふるえ、体の突っ張り・傾き、小刻み歩行、前かがみ姿勢などの錐体外路症状が出現しにくく、ホルモン系の副作用も少ない。リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン、アリピプラゾールなどがある。ただし高齢者や痴呆をもつ患者に大量投与すると、錐体外路症状が出やすい。一方、旧来の抗精神病薬であるフェノチアジン類(クロルプロマジン)、ブチロフェノン類(ハロペリドールなど)は定型薬、第1世代抗精神病薬と呼ばれる。口渇、便秘、催眠、起立性低血圧などの副作用をもつが、循環器への副作用は少ない。速効性にすぐれているので、統合失調症以外にうつ病、脳血管障害、痴呆、幻覚・妄想症状などの不随意運動症に有用性が高い。