皮膚に貼りつけて、薬物を浸透させる効果をもつ薬剤。貼り薬。機能面で局所作用型と全身作用型の2種がある。局所作用型の貼付剤としては、打ち身やねんざに使用する鎮痛消炎用の貼り薬(「パテックス」など)が代表的。全身作用型の貼付剤(TTS ; transdermal therapeutic system)は、貼付部位での局所的な効果はないが、含まれている薬物を循環血液中まで浸透させるため、薬物が全身にめぐって薬効を発揮する。禁煙補助用のニコチン貼付剤や、狭心症発作予防的治療用のニトログリセリン貼付剤などが知られている。ぜん息治療薬の「ホクナリン」テープ剤の場合、就寝前に貼っておくと血中薬物濃度が長時間維持され、朝方の気温低下で起こる発作を予防できる。厚みの薄いテープ剤に対して、水分含量の高い、厚みのある貼付剤(消炎鎮痛薬ケトプロフェンなどのパップ剤)を膏薬と呼ぶ。