炎症による疾患部の腫れや痛みを抑え、取り除くための薬。ステロイド類と非ステロイド類に大別できる。ステロイド類(プレドニゾロンなど)はよく効くが、強い副作用をもつ。例えば経口剤の短期使用時は、消化管からの出血や免疫低下による感染症の罹患(りかん)など、長期使用時には骨がもろくなったり、脳梗塞(こうそく)、心筋梗塞、血栓症などを引き起こす可能性がある。皮膚の炎症にも劇的に効くので、皮膚科では各種の軟膏やクリーム剤を処方するが、1日数回、2~3日の投与であれば副作用の心配はない。しかし美容目的などで使い方を誤ると、皮膚炎を引き起こす。非ステロイド類は解熱、鎮痛、消炎の効果があり、かぜ薬や鎮痛薬として広く使用されている。副作用はステロイド類より弱いが、消化管出血などの危険がある。最近ではCOX2阻害薬(シクロオキシゲナーゼ2阻害薬)という新薬も開発されているが、「バイオックス」の心臓発作や脳卒中の副作用による医療訴訟がアメリカで問題となっている。