全般性不安障害、パニック障害、恐怖症性不安障害、脅迫性障害、解離性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、身体表現性障害、適応障害といった一連の不安障害の治療に用いる薬物。ベンゾジアゼピン系抗不安薬(BZD系抗不安薬)は、情動と関係する大脳辺縁系に分布するBZD受容体に結合してGABAA受容体を活性化し、Clイオンを細胞内へ流入させて鎮静作用を発揮する。ロラゼパム(「ワイパックス」)は肝臓の薬物代謝酵素と反応しないので、薬物相互作用の心配がない。そのため肝疾患患者や、多種の薬を併用している患者にも使いやすい。エチゾラム(「デパス」)、ジアゼパム(「セルシン」)は、筋緊張性頭痛、肩こりにも効果がある。アルプラゾラム(「ソラナックス」)、クロナゼパム(「リボトリール」「ランドセン」)は、パニック発作が強い場合に使う。ちなみに、これらのBZDは薬剤依存性をもつので注意。ロフラゼプ酸エチル(「メイラックス」)は長時間作用型であるため、依存形成しにくく、1日1回の投与ですむ。