抗ウイルス薬の1種。ノイラミニダーゼ阻害薬(NI ; neuraminidase inhibitor)に属し、タミフル、リレンザに続いて、塩野義製薬がアメリカのバイオクリスト社より導入して開発中の新しい薬物。NIは、感染した細胞内で増殖したインフルエンザウイルスが、感染細胞から細胞外に飛び出すために必要なノイラミニダーゼという酵素の働きを阻害することにより、インフルエンザの進行を止める作用を持っている。2010年1月に発売された「ラピアクタ注射剤」は、H5N1型を含むインフルエンザA、B型に効く。さらにタミフルに耐性を示すN1、N2亜型インフルエンザにも効果があるとされている。動物実験ではインフルエンザ以外のウイルス(B型肝炎、麻疹、ポリオ、水痘など)にも効くことが判明している。第一三共が開発中のNIと同様、長期作用型である。アメリカ疾病対策センター(CDC)の標準的治療法では、インフルエンザ発症時に1日1回、静脈内注射にて600ミリグラムを数日間投与することとなっている。感染予防の目的には、主として週1回の注射で用いる。副作用は通常の抗ウィルス薬と同様に、下痢、むかつき、嘔吐(おうと)、好中球減少などがある。