アルツハイマー型認知症治療薬。「レミニール」はヤンセンファーマ(本社・東京都千代田区)の商品名で、一般名はガランタミン(galantamine)。ヒガンバナ科のマツユキソウ(スノードロップ)の球茎から単離された天然由来のアルカロイドで、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性に加え、ニコチン性アセチルコリン受容体に対するアロステリック増強作用を有する。軽~中等度のアルツハイマー型認知症の進行抑制に使用。主にCYP2D6やCYP3A4によって代謝されるため、抗コリン薬、抗うつ薬、抗真菌薬の併用には注意を要する。既存薬ドネペジル(商品名「アリセプト」など)からの切り替え試験のデータから、認知機能に対する高い改善効果が認められたが、重度のアルツハイマー型認知症には適用はない。服用は1日2回が必要。「メマリー」は第一三共(本社・東京都中央区)の商品名で、一般名はメマンチン(memantine)。アダマンタン骨格をもつNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体に対する非競合的拮抗薬であり、NMDA受容体に低親和性に結合することから、正常なグルタミン酸を介する神経伝達には影響しないが、それ以外の過剰なグルタミン酸の刺激から神経細胞を保護する作用がある。コリンエステラーゼ阻害薬とは全く異なる機序で神経保護作用を発揮することから、コリンエステラーゼ阻害薬との併用が可能で、副作用の頻度が低いことが特徴である。中等~高度のアルツハイマー型認知症に使用される。両薬剤とも2011年1月に承認された。