骨粗しょう症の新治療薬で、商品名は「プラリア」。2013年3月承認された。骨粗しょう症治療薬には骨の代謝を調節することが重要で、カルシウムが血中へ溶け出すことを抑える骨吸収の抑制と、骨芽細胞による骨形成の促進という2つの方向がある。最近では、骨の代謝調節機序の解明が細胞レベルから分子レベルへと進んできたため、特異的な治療標的に特化した薬も開発されるようになった。本剤は、破骨細胞を不活性化する抗RANKL中和抗体として、骨吸収の抑制を行う作用をもつ。ただし、破骨細胞に特異的に不活性化させるわけではなく、免疫系にも影響することから副作用の発現が懸念されている。実際の臨床現場では、基礎疾患や合併症をもつ患者に対しても広く使用されるので、特に感染症の悪化などには十分注意する必要がある。ビタミンDの不足についても、積極的に補充する必要がある。