噴霧型(スプレー式)のインフルエンザ生ワクチンで、鼻腔内に吹き付けて接種する。アメリカのメディミューン社が、製造販売を行っている。噴霧された生ワクチンは、鼻腔奥のアデノイドというリンパ組織で捕捉された後、免疫抗体を作るよう調整されている。その際、鼻腔内にも局所的に免疫誘導を行うので、従来の注射ワクチンと異なり、ウイルスの侵入も阻害できる特徴がある。接種対象者は2~49歳の健常人で、接種は1回のみ。ただし2~8歳で、これまでにインフルエンザワクチンの接種歴がない、インフルエンザにかかったことがない小児は1カ月あけて2回接種する。妊婦、授乳中の女性、心疾患、肺疾患、ぜんそく、肝疾患、糖尿病、貧血、神経系疾患、免疫不全などの慢性疾患患者、18歳未満で長期アスピリン内服中患者、重度の卵白アレルギー、ギランバレー症候群のある人、接種当日に体調の悪い人は接種不可。副反応は、発熱、鼻汁、鼻閉、咽頭痛、倦怠感などの感冒様症状。未承認薬剤なので、接種費用は自己負担である。重篤な健康被害が出た場合でも、公的な補償は受けられない。