日本で初めて承認を受けた肥満症治療薬。商品名は「オブリーン」。一般に肥満症治療薬は、作用する神経部位によって中枢性と末梢性に大別されるが、本剤は末梢性に作用するものである。中枢性に見られる強い副作用もなく、安全性が高いとされている。本剤は生体内で食物中の油脂成分と混ざりあって油滴となり、膵(すい)リパーゼを阻害して中性脂肪(トリグリセリド)の分解を抑制し、小腸からの吸収を効率よく抑えて抗肥満効果をもたらす。2012年の日本肥満学会において、診断基準と治療指針が提案され、治療目標を3%以上の減体重とした基準が評価されている。本剤はイギリスのアリザイム社(Alizyme)で創製され、09年にオランダのノルジン社(Norgine)に譲渡されたのち、武田薬品工業が13年に日本における製造販売承認を得た。