社交不安障害は、これまで「あがり症」、「赤面恐怖」、「対人恐怖症」などと言われたものであり、授業中に発表したり、会議でプレゼンテーションする際などに、強い不安を抱いて頭が真っ白になり、混乱してしまう状態を指す。人前に出たとき「その人達から悪い評価を受けるのではないか」「失敗して恥ずかしい思いをするのではないか」という不安を抱くことで、震え、発汗、動悸などの身体症状が現れる。やがて社会的場面を避けるようになり、仕事や学業などの日常生活に支障をきたす。他にも人と一緒に食事をすることができない、公衆トイレが使えない、記帳ができないといった症状もあり、生涯有病率は3~5%とされている。この社交不安障害は、性格の問題であると思われてきたが、「心の病」の一つであり、治療によって症状は改善する。うつ病などの心の病の引き金となることもある。社交不安障害の治療法は他の不安障害同様薬物療法(SSRIなどの抗うつ薬と抗不安薬)と心理療法が主となる。