適応障害とは、環境との適応がうまくいかない状態のことを指す。環境が学校であれば不登校になり、職場であれば出社拒否などと呼ばれる。海外赴任先で不適応を生じる場合や、帰国後の再適応がうまくいかない場合もある。海外帰国子女において不適応が見られることもある。環境が過酷であれば、多くの人が適応障害になり、個人のストレス耐性(ストレスに耐える力)が弱ければ、環境の問題が小さくても不適応に陥ることがある。学校では進学・転校・クラス替えや担任教師の交代などが契機となり、職場では配置転換・異動・上司の交代・業務変更などを契機とする適応障害が見られる。うつ病や不安障害など、他の心の病に比べて軽症であり、通常ストレス要因がなくなると速やかに軽減する。その状態から、抑うつ気分を伴うもの、不安を伴うもの、不登校のように行為の障害を伴うものなどに分けられている。治療は、まず何が適応障害の原因になっているのかを明らかにすることであり、特定された原因の除去に努める。そして個人の側に課題があれば、課題を克服するための方法を考えることになるが、こうした一連のことを心理療法として行う。必要に応じて、抗うつ薬や抗不安薬などの薬物療法を行うこともある。