パーソナリティー障害は、人格上の偏りが、本人に苦痛をもたらし、あるいは社会生活上の問題を生じることである。通常青年期など若年に始まる。幼少時期の環境など様々な外的要因と生まれ持った気質とが相まったものと考えられる。アメリカ精神医学会(APA)の「精神疾患の分類と診断の手引第4版(DSM-4-TR)」ではクラスターAからCの3群・10種類のパーソナリティー障害が定義されている。クラスターA(風変わりで自閉的、妄想的になりやすく閉じこもりがちな性質を持つ)は妄想性パーソナリティー障害(paranoid personality disorder)、シゾイドパーソナリティー障害(schizoid personality disorder)、失調型パーソナリティー障害(schizotypal personality disorder)の3種類に分けられる。クラスターB(感情の混乱が激しく演技的で情緒的である)は反社会性パーソナリティー障害(antisocial personality disorder)、境界性パーソナリティー障害(borderline personality disorder)、演技性パーソナリティー障害(histrionic personality disorder)、自己愛性パーソナリティー障害(narcissistic personality disorder)の4種類に分けられる。クラスターC(不安や恐怖心が強く、周りの評価が気になりやすい)は回避性パーソナリティー障害(avoidant personality disorder)、依存性パーソナリティー障害(dependent personality disorder)、強迫性パーソナリティー障害(obsessive-compulsive personality disorder)の3種類である。人格障害の治療は心理療法が中心であり、必要に応じて薬物療法を併用する。