気分障害の一種で、軽症の抑うつ状態が長期間続く症状を呈するもの。気分障害の中では比較的軽症とされているが、定義では少なくとも2年間以上、軽い抑うつ状態が続くとされている。その間、調子がよい時期も数日から数週間あるが、それ以外のほとんどの期間は疲労感と抑うつ感にさいなまれる。したがって何をやるにも努力を要し、ものごとを楽しめない。また、軽い抑うつ状態が続くうちに、時折、深い抑うつ状態に陥ることもあり、これをダブルデプレッションという。この症状がみられると、通常のうつ病よりも回復が困難である。経過中に重症のうつ病に移行することが少なくないため、気分変調性障害にかかったら、抗うつ薬による薬物療法と、心理療法を中心とした早期治療が重要。しかし患者の多くは、専門医を受診せず、適切な治療を受けていないとされている。