体毛を引き抜いてしまう癖によって、頭部を中心に脱毛斑が見られる精神疾患。心の病が抜毛という行為(症状)として現れるのが特徴で、皮膚疾患の円形脱毛症だと思っていた人が、実は抜毛症だったというケースもある。大半は10代の女性で、家庭や学校での人間関係に悩んでいる人に多い。成人に達した後にかかる人もいる。脱毛斑は手の届きやすい前頭部に多く見られるが、頭髪のみならず、眉毛、まつ毛を抜くこともある。こうした抜毛行為の背景には攻撃性が潜んでいるという意見もあるが、一般的には内向的な性格傾向のほうが多いとされている。治療は心理療法が中心だが、学校や家庭など環境に問題のある場合も多く、そちらの改善を要することもある。