女性の月経周期と、密接な関係を持つ精神疾患。アメリカ精神医学会の診断基準DSM-IVでは、研究用基準案として、特定不能の気分障害に分類されている。正式な基準とされていないのは、疾患概念の歴史が浅く、いまだ議論も続いているからである。月経前に生じる身体的および精神的症状としては、月経前症候群が知られていた。これは周期性の月経の1~2週間ほど前から起こり、月経開始とともに消失する、身体および精神的症状の総称である。月経前気分不快症候群は、月経前症候群の中でもより精神症状が重いもの、ということである。精神症状の診断項目は、抑うつ、不安、情緒不安定、対人関係の摩擦、興味の減退、集中困難など。診断基準は「通常の社会生活や、他者との行動を著しく妨げるレベル」とされている。抗うつ薬が症状緩和につながるともいわれている。