アルコール依存症の親の元で育った子どもたちが、成人して何らかの精神的な問題をかかえた場合の呼称。アルコール依存症の親を持つ人は、一般家庭で育った人に比較して、アルコール依存症やうつ病などの精神障害を罹患しやすいことから、臨床的に注目されるようになった。アルコール依存症患者は、虐待や愛情不足、育児放棄の傾向にある。そういった子どもの頃の家族機能不全が、アダルトチルドレンの背景として、存在するといわれている。元々はアメリカで提唱されたが、精神科医の斎藤学(さとる)や臨床心理士の西尾和美らによって、日本に紹介された。なお、日本ではアルコール依存症に限らず、家族問題を抱えながら育った人々を、アダルトチルドレンと呼ぶ傾向がある。学術的な診断名ではないので、診断基準のようなものはない。