抗精神病薬や抗不安薬などの向精神薬の過剰投与によって、精神機能や運動機能が低下した状態。具体的には、ふらつき、眠気、過眠、集中力の低下、活動の低下、転倒、誤嚥(ごえん)性肺炎といった症状や問題を引き起こすことがある。高齢者や身体疾患を合併する患者の場合、生命の危機を招く可能性もある。その背景には投与量の調整について、効果や副作用を評価する検査数値のような客観的な指標がなく、医師の主観に負う部分が大きいことがあげられる。対策としては、医師が向精神薬の標準投与量を守り、かつ同じ作用の薬の併用を行わないことが大切である。日本は諸外国にくらべ、抗精神病薬や抗不安薬を標準量以上に投与するケースが多いと言われている。