がんの末期などにおける諸症状を和らげることで、患者のQOL(生活の質)向上を図ること。世界保健機関(WHO)はWHO方式がん疼痛(とうつう)治療法の普及を図っている。モルヒネなど医療用麻薬を使うことで90%の患者の痛みを取り除くことができるが、日本ではモルヒネ使用を避ける風潮があり、痛みがコントロールされている患者は半数程度。モルヒネは内臓のがんの痛みに効果的だが、便秘や嘔吐の副作用がある。モルヒネが効かない痛みの場合、胃や肝臓など上腹部のがんには腹腔神経叢(そう)ブロック、大腸など下腹部のがんには下腸管膜動脈神経叢ブロックが有効。疼痛をコントロールできれば在宅ホスピスを広げることが可能になる。