肝臓がんは、肝細胞由来と胆管細胞由来に分けられる。胃がんや大腸がん転移も多い。きわめてまれに血管肉腫もある。最近はC型肝炎後の肝臓がんが増えていて、肝臓がん全体の4分の3以上を占める。C型肝炎ウイルスはいくつかの亜型が知られる。慢性化して肝硬変に移行しやすいので、インターフェロン療法が効果的。B型肝炎からの発がんは数十年を要し、必ずしも肝硬変を経ないものもある。C型肝炎からの発がんは約30年を要し、必ず肝硬変を経て発がんする。この進展をくい止めるのが肝臓がんの予防に効果的である。避妊薬や男性ホルモン剤服用による肝臓がん発症もまれにある。肝臓がん患者の予後は悪い。診断は、超音波診断やCT(コンピューター化断層撮影)、がん細胞が作るαフェトたんぱく質を指標にした血清診断で大幅に進歩した。完全切除が不可能な例でも、肝動脈塞栓療法、がん巣内アルコール注入法などにより、かなりの延命効果を得られる場合がある。