前立腺がんを早期発見するための検査法。PSAはprostate specific antigen(前立腺特異抗原)の略で、前立腺から分泌されるセリンプロテアーゼ(セリンたんぱく分解酵素)という物質が血液中にどれだけ存在するかを測定する。健常な男性の場合、PSAが血液中に浸出することはほとんどない。しかし、前立腺に疾患がある場合は血液中にPSAが浸出し、血液検査での測定が可能となる。健常人の血清中PSA濃度は1ミリリットルあたり0.1ナノグラムであるが、前立腺疾患があると4.0ナノグラム以上に上昇する。しかし4.0~10.0ナノグラム程度の場合、良性の前立腺肥大症と前立腺がんがかなりの割合で混在しており、区別がつかないことがある。前立腺がんのスクリーニングでは、一般的に50歳以上の男性を対象にPSA検査を実施する。その結果、血清中PSA濃度が1ミリリットルあたり4.0ナノグラム以上の場合、専門の泌尿器科医を受診し、直腸指診や超音波検査で針生検の適応を決定する。