食道や胃、小腸、大腸など消化管の壁にある、カハール介在細胞が腫瘍化したもの。胃がんや大腸がんは、消化管の粘膜から発生するが、GISTは粘膜下腫瘍として見つかる。ほとんど無自覚、無症状で、消化管の検査時に発見されることが多い。胃に7割、小腸に2割、残りが食道と大腸に発生する。切除された標本の免疫組織染色を行い、KIT蛋白(たんぱく)、CD34という細胞表面の抗原が、陽性の場合に診断がなされる。腫瘍の大きさと細胞分裂像の数の多さで、リスク分類がされている。増大傾向のある2センチ以上の消化管粘膜下腫瘍は、手術がすすめられる。術後にGISTと診断されることも多いが、それによってリスクも判明する。手術不能、あるいは再発GISTの薬物療法では、分子標的薬であるメシル酸イマチニブ(商品名「グリベック」)が有用である。