腎臓で作られた尿は、腎杯、腎盂(う)、尿管を通って膀胱にためられ、尿道から体外へと排泄される。尿の通過するところが尿路であるが、腎盂・尿管は上部尿路といわれ、移行上皮という粘膜が覆っており、移行上皮がんが発生する。尿路がんの中では膀胱がんの死亡数が約7割と最も多く、それに比して腎盂・尿管がんは少ない。ただし、尿路のがんは多発や再発するケースが多く、腎盂・尿管がんの治療後に3~4割で膀胱がんが発生することが知られている。喫煙やフェナセチンを含む鎮痛剤が原因であることがわかっている。症状は血尿であることが多く、まず膀胱がんを疑って検査を行うが、膀胱がんでない場合、腎盂・尿管を精査することで診断がつく。治療は手術が第一選択となり、多くは患側の腎尿管、膀胱部分切除になることが多い。