がん(癌)の診療において、標準的な治療方針やその根拠を示した指針。2001年3月、日本胃癌学会がまとめた「胃癌治療ガイドライン」に始まり、各専門学会や研究会が、それぞれの分野の臨床研究に基づいた科学的根拠や、現段階におけるコンセンサスを考慮して作成している。記載された標準治療を参考に、臨床試験の説明にも利用され、そこで得られた新たな知見をもとに改訂される。がん対策基本法のキーワード「均てん化」(誰もが等しく、ある一定水準の医療が受けられること)に欠くことのできないツールだが、実臨床の診療内容を拘束するものではなく、あくまでも治療の指針として、患者個人の病態に応じた対応が望まれる。