血液の抗原抗体反応による分類。別々の人から採取した血液を混ぜると、血液が凝集を起こすことがある。これは赤血球の表面に血液型物質(抗原)があり、血漿中にはそれに対する抗体が含まれていて、血液型が異なる場合に抗体が血液型物質と反応するからである。人間の血液型で代表的なABO式血液型は、オーストリア出身の生物学者カール・ラントシュタイナーが1900年に発見した。37年にはRh式血液型も発見している。血液型の発見によって、他人の血液を輸血することが可能になり、手術や事故による失血を救えるようになった。ABO式血液型は赤血球表面の糖鎖によるもので、血液型物質および遺伝子にA、B、Oの3種類があり、日本人はAB型が10%、A型が39%、B型が22%、O型が29%である。Rh式血液型は赤血球の膜たんぱく質によるもので、D抗原をもつRhプラスとD抗原をもたないRhマイナスがあり、日本人の99.5%はRhプラスである。赤血球の膜上には、この他にも多数の血液型物質があるので、輸血をする前には、受血者の血液と供血者の血液を混ぜて反応をみる交差適合試験を必ず行う。