水に溶けるような抗原と抗体を試験管内で適当な割合に混ぜると、抗原と抗体が結合して沈降物を作るが、抗原が多すぎても抗体が多すぎても沈降物はできない(沈降反応)。このような反応は、現在では寒天のようなゲルの中で抗原を同定したりするのに用いられている。抗原が赤血球のような巨大粒子の表面にある場合には、抗体との反応によって粒子が凝集する(凝集反応)。この反応は沈降反応に比べて反応時間も短く(数分から1時間)、またわずかの抗体(1億分の1グラム程度)でも反応するので、抗体の検出などに用いられる。生体内では抗原と抗体の特異的な反応に引き続いて、補体が活性化されたり、細胞が抗体を認識してさまざまな反応を引き起こす。その反応のほとんどは生体に有利なものだが、時には機能障害や病気を起こすことがある。