動物の身体には、収縮することによって身体のさまざまな部分を動かす筋肉がある。筋肉のうち、骨格に付着してこれを動かすものを骨格筋、内臓にあるものを内臓筋という。骨格筋と内臓筋は顕微鏡的な構造や、支配神経が異なる。顕微鏡で見ると、筋線維には横縞の見える横紋筋と、横縞の見えない平滑筋がある。骨格筋はすべて横紋筋であり、内臓筋は心臓のものが横紋筋、それ以外のものが平滑筋である。運動神経には骨格筋を動かす体性神経と、内臓筋に作用する自律神経の区別がある。体性神経の興奮は意志によって調節され、しかも骨格筋の収縮はその興奮刺激に従うので、骨格筋は随意筋 (voluntary muscle) である。これに対し自律神経の興奮は情動や反射によって支配され、また内臓筋の収縮は神経の興奮以外の要素によっても支配されるので、内臓筋は不随意筋 (involuntary muscle) である。