糸球体で濾過された最初の尿は、ブドウ糖やアミノ酸など身体に有用な物質を含んでおり、これは血液中に回収しなければならない。さらに摂取した食べ物や汗や呼気や便となって出ていく水分・電解質量に合わせて、体液の組成を一定に保つために、腎臓は絶えず尿の量や組成を調節しなければならない。こういう作業を効率的に行うために、腎臓は最終的な尿の100倍にもなる量の尿をまず糸球体で濾過し、その99%を尿細管で再吸収する。尿細管のうち近位尿細管では、わずかに糸球体を通り抜けてきたたんぱく質や有用な分子がほとんど再吸収され、尿量も20~30%ほどになる。中間尿細管を含むヘンレループは、髄質中の塩分や尿素の濃度を高める。遠位尿細管以後では、主に尿中のナトリウムやカリウムなどのイオン濃度やpH(ペーハー)を調節する。集合管では髄質の高い浸透圧によって水分が再吸収され、尿が濃縮される。それぞれの分節での再吸収過程は、さまざまなホルモンによる調節を受けている。