下垂体後葉から分泌されるバゾプレッシンは、尿細管のとくに集合管に作用して水の再吸収を促進し、尿量を減少させる。そのため抗利尿ホルモン(ADH ; antidiuretic hormone)ともよばれる。副腎皮質から分泌されるアルドステロンは、遠位尿細管に作用してナトリウムの再吸収を促進し、カリウムの排出を増す。最近、心房筋細胞から分離された心房ナトリウム利尿因子(ANF ; Atrial Natriuretic Factor)は、腎臓に作用してナトリウム排出量を増加させることが知られているが、作用機序はまだ不明である。上皮小体から分泌されるパラソルモン(PTH ; parathormone)は、尿細管に作用して尿へのカルシウム排出を抑制し、甲状腺の旁小胞細胞から分泌されるカルシトニンは、カルシウム排出を増加する。腎臓の輸入細動脈から分泌されるレニンにより、血液中のアンジオテンシノーゲンがアンジオテンシンIに分解され、これが速やかにアンジオテンシンII(AII)に変わる。AIIは強力な血管収縮、血圧上昇作用を持ち、糸球体濾過に影響する。