免疫反応によって病的な状態が生じることを過敏症といい、その機構によって五つに分類されている。(1)I型のアナフィラキシー様過敏症では、IgEがマスト細胞からヒスタミンなどを放出させる。抗原が侵入してから30分以内に発疹や発赤が起こる。(2)II型の抗体依存性過敏症では、他者の抗体が反応を起こすもので、血液型不適合妊娠による新生児溶血症などがこれにあたる。(3)III型の免疫複合体による過敏症では、抗原と抗体が結合した複合体が補体を活性化して起こるもので、腎炎の一部や薬物アレルギーの際に見られる。(4)IV型は細胞性免疫による過敏症で、多くの自己免疫疾患で病気の発生に一役買っている。(5)V型は刺激性過敏症で、抗体がホルモンのレセプターに結合して刺激するために症状がでるもので、甲状腺炎の一部に見られる。