視床下部は間脳の一部で、視床の下方に位置する重さ4グラムほどの核群である。視床下部の前下端は漏斗状に飛び出して、その先端に下垂体という内分泌腺をぶら下げる。視床下部は、大脳辺縁系とともに、本能行動を起こしたり内部環境を調節したりする。視床下部にある空腹中枢と満腹中枢は摂食行動を調節し、飲水中枢は飲水行動を調節する。また性行動を調節する性中枢や体温を調節する中枢も視床下部にある。視床下部の視索上核と室傍核のニューロンは抗利尿ホルモンを産生し、下垂体の後葉にまで伸びた軸索から血中に放出し、尿の排出量や塩分濃度を調節している。また弓状核から正中隆起に軸索を伸ばすニューロンから、下垂体前葉のさまざまなホルモンの分泌を調節するホルモンが何種類も放出され、血流にのって下垂体に送られる。