男と女の身体の構造は、基本的には変わらないが、詳しく見ると性差が認められる。男性の身体は骨格と筋肉が発達し、女性の身体は脂肪が多く着いて丸みを帯びている。骨格では、骨盤の形に男女差が著しい。小骨盤という中央の窪んだ部分の入り口を上から見ると、男性ではやや前に尖り、女性では丸みを帯びている。また骨盤を前から見たときに、恥骨結合の下に開いた隙間の角度が、女性の方が男性より大きい。女性の骨盤は出産に適した形状になっている。また性格など精神面にも男女差がある。その一部は人間関係を通じて学習した社会的なものだが、中枢神経のニューロンの性質の男女差など明らかに生物学的な差異もある。次の世代の個体を作る生殖器は、男女の間で著しく構造が違う。男性の生殖器は、精子を作って女性の体内に送り込み、女性の生殖器は精子によって受精した卵子を子宮に着床させ、約10カ月の妊娠期間の後に新生児を出産する。女性では乳房が発達して、乳児の栄養のために母乳を分泌するが、これも生殖器の中に含めることがある。