卵子のもとになる細胞は、卵巣の中にある卵胞に収まっている。この細胞は、胎児の早い時期に卵祖細胞として分裂し、その後は、卵母細胞となって数が減り続け、新生児で80万個あったものが、思春期には1万個、そして更年期には0になる。そのうち排卵されるものは400個ほどで、残りはすべて卵胞の閉鎖により消失してしまう。卵母細胞を収めた原始卵胞は、思春期になると一つずつ、二次卵胞、さらに直径2ミリものグラーフ卵胞へと成熟する。グラーフ卵胞は、エストロゲン (estrogen) という女性ホルモンを分泌し、やがて卵母細胞を放出する。この排卵は、月経周期に合わせて1カ月に一度ずつ起こる。排卵をした卵胞は、黄体 (corpus luteum) に変化し、プロゲステロン (progesteron) という女性ホルモンとエストロゲンを分泌する。卵が受精、着床して妊娠が成立すると、黄体は妊娠4カ月まで発達を続け、出産まで機能し続けるが、妊娠しなかった場合には、10日ほどで退化し始める。黄体は、退化すると、白体という瘢痕(はんこん)組織に置き換わる。