中枢神経と末梢神経を作る細胞集団を神経組織といい、神経細胞のニューロンと支持細胞からなる。ニューロンはたいてい、木のように枝分かれした多数の樹状突起と、遠くの標的にまで延びる1本の軸索突起をもつ。ほかのニューロンからの興奮は、樹状突起や神経細胞体に伝達され、そのニューロンを新たに興奮させたり抑制したりする。神経細胞の興奮は、軸索突起を伝わってその先端の神経終末に達し、そこで次のニューロンなどに伝達される。中枢神経の支持細胞はグリア細胞と呼ばれ、ニューロンに栄養を与える星状グリア細胞、神経線維を包む髄鞘(ずいしょう)を作る希突起グリア細胞、異物を処理する小グリア細胞の3種類がある。成人の脳では新しいニューロンは生まれないと考えられてきたが、海馬(かいば)では神経幹細胞から新しいニューロンが作られて、記憶形成に役立つことが分かってきた。末梢神経の支持細胞はシュワン細胞で、軸索を包んで有髄や無髄の神経線維を形成する。