2000年12月に厚生省(当時)の厚生科学審議会の「生殖補助医療技術に関する専門委員会」が出した報告書では、体外受精に関し卵子、精子、受精卵の第三者からの提供を認める一方、第三者の子宮に体外受精による受精卵を移植することは「非倫理的」として認めないという方針を示し、3年後の法制化を検討するとしていた。これを受けて01年に、法務大臣も法制化審議会に生殖医療法案と民法改正を諮問するなどの動きがあった。しかしながら01年5月、長野県下諏訪町の産婦人科医が第三者の子宮を使用した体外受精(代理出産 ; 借り腹)での出産がすでにあったことを公表した。このような事態に至って、厚生労働省は厚生科学審議会に「生殖補助医療部会」の設置を決定し、代理出産についての検討を始めた。03年5月には第三者からの精子、卵子、受精卵の提供や子どもの出自を知る権利を認める一方、代理出産は禁止することなどを示した最終報告書を提出した。また日本産科婦人科学会は、02年2月に理事会で代理出産は認めないとの見解を決めたが、学会の倫理審議会で代理出産について検討することとし、将来的な容認の可能性も残した。そのような中、05年9月には、韓国での代理出産を仲介する国内業者の存在が明らかになり、日本人2組が契約していたことが報道された。