日本では一般に、第三者から卵子または精子の提供を受け、体外受精を行うこと。日本産科婦人科学会は、会告によって非配偶者間体外受精を禁止しており、その実施を公表した医師が学会員だった場合は、学会除名などの処分を行ってきた。また、厚生労働省は生殖補助医療の法制化をめざし、条件付きでの卵子提供による、体外受精・胚移植の実施を容認する報告書などを出している。しかし、必要な制度の整備がなされるまで実施すべきでない、との見解を示し、法制化には至っていない。 2009年2月、日本生殖補助医療標準化機関(JISART)という医療者団体が、非配偶者間体外受精の実施2例を発表し、厚生労働省や日本産科婦人科学会に対し、見解を求める活動を行っている。近年、生殖補助医療は一般化し、体外受精による出産件数は、年間1万5000件を超えているとの報告がある。09年2月には、香川県立中央病院での受精卵取り違え事故の報道もあり、国や学会の早急な対応が求められている。日本産科婦人科学会とは別に、日本生殖医学会は09年6月に第三者の配偶子を使用する体外受精を容認する提言を発表し、社会的容認に向けての動きが活発化している。