臓器移植を目的とした臓器の譲り受けにおいて、ドナー(提供者)とレシピエント(移植を受ける患者)の間に金品などのやりとりがあること。アメリカやヨーロッパでは倫理的問題から一般的に禁止されており、日本も臓器移植法で禁じている。しかし、インドやフィリピンなど一部の途上国で、貧富の差などの社会的背景から日常的に行われているという実態が知られている。2006年10月、愛媛県の病院で生体腎移植を受けた患者が、提供者に金銭や自動車などを渡していた事件が発覚。さらに、腎不全と診断された医師が暴力団を介して不法な臓器売買を行い、10年7月には自らの移植治療を行っていたことも判明した。医師が安易に臓器売買に関与したことと同時に、暴力団の介在という、臓器移植をめぐる新たな社会問題を示すことになった。