生きている人から臓器の提供を受け、移植を行うこと。死者から摘出した臓器を、病気治療などの目的で移植することは死体臓器移植という。日本では臓器移植法によって、法的に脳死判定を下された人からの臓器摘出が可能となっているが、依然としてその数は欧米諸国にくらべると少ない状態で推移し、生体臓器移植への依存が続いている。日本移植学会は、2012年9月に倫理指針を改正し、死体および生体臓器移植の指針を示した。生体臓器移植の指針では、ドナー(臓器提供者)を親族とする場合と、非親族とする場合とに分けている。親族は6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族。非親族間の生体臓器移植には、事前に日本移植学会の倫理委員会に意見を求めなければならない、としている。親族からの臓器提供の認定には、強制が働いていないかが、特に慎重に検討されなければならない。ドナーの自発的な提供意思というものが、親族間ではどのような条件で確認されるか、という点に議論が必要である。