配偶者以外の精子を用いた人工授精。AID(非配偶者間人工授精)と同義語だが、AIDS(エイズ ; 後天性免疫不全症候群)と混同されやすいため、DIが多く用いられるようになった。日本では、1949年に初めてDIによる子どもが誕生し、今日までに1万人以上が生まれているという。無精子症など、男性不妊の場合に実施される生殖補助医療だが、夫婦にとっては子どもとの遺伝的つながりが半分となり、そのことを家族の中でどう考えるかが問題である。また、生まれてきた子どもに、出自や提供者の情報をいかに知らせるか、ということもある。DIによる出生を知った人の中には、生物学的な父親を調べたり、自ら名乗りを上げて、出自を知る権利の要求運動をしている人もいる。