肺移植における、提供者(ドナー)と受け入れ患者(レシピエント)の体格差による制限を廃して、脳死した大人の肺を子どもに移植すること。従来、提供者と受け入れ患者のどちらかが18歳未満の場合は、肺の大きさの違いを考慮し、移植可能な身長差を1割未満と規定していた。そのため、2012年に富山大学病院で行われた6歳未満からの脳死臓器提供では、肺の移植先が見つからず問題となった。そこで厚生労働省は見直しを行い、13年10月に新基準を策定。脳死した大人からの提供肺は、大きさや血液型の適合、待機時間の長さによって大人の移植先を選ぶ。そこで適合者がない場合は、体格差に関係なく、血液型が適合する子どもから移植先を選ぶことにした。その際、レシピエントの体格が小さければ提供肺を分割し、その一部を移植する。