性同一性障害を持つ人が、その性同一性に合うように内外性器の形態を外科的手術で変えること。2014年5月30日、日本精神神経学会は性同一性障害の治療指針を一部改訂し、性別適合手術は「麻酔医が麻酔を担当し、入院可能な医療機関で行われるべき」とした。その背景には、入院設備のない施設でも手術が行われ、術中の大量出血や術後の筋肉の壊死、神経まひなどの合併症予防に十分に対応できていないといった実態があった。また13年12月10日、性別適合手術で戸籍上の性別を変えた夫に対し、その妻が第三者の精子を使った人工授精で生んだ子どもを、嫡出子と認めるという判決を最高裁判所が出した。1、2審では、夫と子には血縁関係がないことから、嫡出子とは認められないとしていた。この判決で最高裁は、性別適合手術をした男性と女性が法的に認められた夫婦であれば、民法772条の「妻が婚姻中に妊娠すれば夫の子と推定する」という規定が適用されるとした。血縁関係よりも法的夫婦関係を優先し、性的少数者の権利を擁護する判決となった。