婚姻届は出していないが事実上夫婦として生活している妻と夫が、体外受精によって子を得ること。日本産科婦人科学会は指針として、体外受精は「婚姻しており、(子を)強く希望する夫婦」が受けられるものとしていた。しかし、結婚していない男女から生まれた婚外子の相続差別を撤廃する改正民法が2013年12月に成立したことを受け、14年6月に「事実婚の夫婦」にも容認することを決定。この指針に法的拘束力はないが、学会に所属する産科婦人科医に影響を与えるため、これまでは体外受精を受けられなかった人も受けられる可能性が高まった。しかし「夫婦」という条件は付けているので、独身者や同性カップルには認めないとしている。また、夫婦関係にない第三者の卵子や精子を使った体外受精については、国の方針決定を待つとしている。こうした学会の方針転換が技術の発展や既成事実の後追いのようにもなっている現状から、生殖補助技術に関する法制化の動きもある。現時点までに法案も提起されているが、国会で審議されるまでには至っていない。