死期が近づいた未成年の患者本人の自発的意思と要求に応じて、身体的かつ精神的苦痛から救うため死に至らしめる行為。医師が薬物投与などで死期を早める積極的安楽死と、医師が致死薬を処方して患者本人が自ら服用する自殺幇助(ほうじょ)とがある。ベルギーでは、2002年より18歳以上の成人に対する安楽死を合法化していたが、14年2月13日に年齢制限を廃し、未成年の子どもにも安楽死を認める改正法案が下院で可決された。書面で本人の意思を確認し、複数の医師が認めれば、積極的安楽死の措置を行ってもよいとされる。オランダでも12歳以上を対象として安楽死を認めているが、年齢制限を廃するのは世界初である。他にも、ルクセンブルク、アメリカの一部の州などが、対応に差はあるものの年齢制限を設けて安楽死を認めてきている。今回の年齢制限の撤廃については、自発的意思の尊重という点で、子どもの理解力の有無などの問題が指摘されている。また、子どもの成熟度には個人差があり、年齢制限を設けることに対する「子どもの権利」への侵害を懸念する意見もあった。