死亡者数が多い社会を指すが、とくに死亡者数が出生者数を上回り、人口が減少していく社会のこと。日本では2025年に団塊世代が75歳以上になり、15年に129万人だった死亡者数が、35年には165万人になると予想されている。このような社会を迎えるにあたり、早急に対応しなければならない問題がいくつか指摘されている。まずは家族関係やコミュニティーの希薄化、社会の貧困化などを反映して、火葬場や埋葬場所に限界が訪れるといった問題がある。例えば「孤独死」した人の遺骨については、公営の納骨堂なども収容困難になるおそれがある。また関連して、終末期をいかに過ごすかという問題もある。近年では、終末期における医療との関わりを事前に決めておく必要性が強調され、07年に厚生労働省が策定した「終末期医療に関するガイドライン」も18年1月17日に改定案が示された。そこでは病気や老衰で回復が見込めない終末期患者への延命措置への対応を、患者の意思を尊重して行う手続きが定められているが、医療施設に限られていた対応範囲を在宅や介護施設へと拡充。在宅での医療や看取りを進めるとともに、介護施設での看取りを介護報酬の加算によって推進する方向性もある。