回復の見込みのない末期状態の患者に対し、延命措置の差し控え、治療中止などの医療内容の決定手続きや、患者の意思の確認方法などを示したガイドラインのこと。2007年5月、厚生労働省が「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」を発表した。そこでは、本人の意思の有無に応じた判断の道筋が述べられていたが、具体的な対応については記載がなく、医療従事者の責任による判断を是としたものであった。しかし、その後の情勢変化により、いくつかの専門学会から具体的な対応が提案されるようになった。07年には日本救急医学会が「救急医療における終末期医療に関する提言」により、条件つきで人工呼吸器の中止を提言した。12年、日本老年医学会は「高齢者の終末期の医療およびケアに関する立場表明」を発表し、胃ろうなどの人工栄養の中止も検討すべき、とした。また、13年1月には日本透析医学会が「慢性血液透析療法の導入と終末期患者に対する見合わせに関する提言案」を提出し、本人の意思の有無に応じた人工透析中止の手続きを示している。13年6月には最終案をまとめるとしている。