EBウイルスというウイルスが、キスにより初めて感染した思春期の若者に、1~6カ月間続く全身倦怠感(けんたいかん)を起こさせる病気。EBウイルスはDNAウイルスであり、既感染者の口腔(こうくう)内に持続的に存在していても健康である。この既感染者の唾液(だえき)中のウイルスが、10代の若者に初感染すると、約半数に微熱、白血球の増加が認められる。新生児ではウイルス陰性であり、幼児期になっての初感染では無症状である。キス病患者のリンパ球は形状が正常とは異なり、さらにその数が増加しているために、白血病との鑑別が治療上重要である。EBウイルス抗体の出現により診断される。重症例では肝炎を発症するが、そのほとんどは自然治癒し、ウイルスは体内に潜伏する。とくにアフリカでは、何らかの原因でこのEBウイルスによりバーキットリンパ腫というがんが起こることが知られている。