トリコフィトン・トンズランス(trichophyton tonsurans)という、新しい水虫菌による体部あるいは頭部白癬症(たむし)。柔道やレスリング選手の間で集団発生し、日本でも10年ほど前から見つかってきた。カサブタが少しできる程度の軽症例がほとんどであるが、頭部白癬症の悪化例では、頭皮が盛り上がり、膿(うみ)が出て脱毛を生じる。菌は毛穴の中に隠れて、保菌者になりやすい。診断は、ブラシで採取した検体の培養検査を行う。陽性の場合は、専門医による治療が必要である。格闘技の選手間ならびに、家族内での感染が問題になる。