蚊の刺傷によって罹患する、ウイルス感染症。発熱や発疹を引き起こし、まれに重症化して肝機能障害を起こす。流行地は主に、東南アジア、中国南部、台湾、カリブ海諸島、メキシコから中南米諸国にかけての熱帯地方である。デング熱ウイルスを持っている蚊はヤブカ、とりわけネッタイシマカであり、夏の日中によく活動するので、海外では注意が必要である。日本で見つかる患者は主に東南アジアからの帰国者で、毎年100~200人程度が現地で感染して発症する。何度も感染すると重症化し、ショック症状から死に至ることもある。糖尿病や気管支ぜんそくなどの基礎疾患を有する患者には、重症化のリスクがある。治療法は補液療法が中心の対症療法で、ワクチンはない。