痒みを伴った全身性の皮疹(水ぶくれ)が、次々と伝染するウイルス感染症。水ぼうそうともいう。病原体は水痘・帯状疱疹ウイルスというヘルペスウイルスの一種で、ヒトからヒトへ感染し、伝染力も強い。全身に皮疹が出現して、瘡蓋(かさぶた)ができるまでの間は感染源となりうる。発症者の大半は9歳以下の子どもであり、そのため保育園、幼稚園、学校などで流行することが多い。動物からヒトへの感染例はない。経過は、一般的には軽症であるが、成人では肺炎や脳炎などの合併症が起きることがあり、重症化する。また臨床症状の消失後には、ウイルスは知覚神経節に潜伏化する。そのウイルスが再活性化して、皮膚の神経走行に沿って痛みを伴う水疱ができることがある。これが帯状疱疹である。生ワクチンは副作用もほとんどなく、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染防御に有効であり、終生免疫が期待される。